こんにちは、コダックです。
英語学習、とくに英単語や表現を記憶する上で大切なのは以下の2つ。
②語源や単語のパーツ構成(接頭語・接尾語)などを関連付けて記憶する事
そう!関連付けが強ければ強いほど、記憶に残りやすい!
この記事では英単語や表現について、多方面からの知識を関連付けし、効率良く記憶する事を目的にしています。
前置詞「in spite of」「despite」の意味は「~にもかかわらず」
「in spite of」「despite」はともに「~にもかかわらず(譲歩)」の意味を持つ前置詞です。
「spite」と「despite」は「軽蔑」を意味するラテン語「despectus」から派生しています。
何かを「軽蔑」しきっていると、人はそれを相手にする気が無くなります。つまり「無視」します。
「spite」と「despite」はまさに「何かを無視している」イメージです。
例えば「大雪が降っている」のを無視して出勤したとすれば 「in spite of the heavy snowfall」ですし、
後述する「despite oneself」「in spite of oneself」が「思わず」の意味になるのは、「自分自身」の意志を無視しているからです。
イメージは「軽蔑」⇒「無視する」⇒「気にもしない」⇒「にもかかわらず」
In spite ofで連想されるものと言えばビートルズ(正確にはその前身のクオリーメン)の楽曲「In spite of all the danger」です。
タイトル通り「どんな危険があっても君を守るし、君の為なら何でもするよ」と歌っているわけですね。
despiteは単体で機能する前置詞。 「despite of」は間違い
ちなみに「in spite of」に引っ張られると「despite」 にもofをつけてしまいがちですが、「despite of」は文法的には誤りです。
後述しますが「in spite of」は群前置詞(複数語で1語の前置詞扱い)です。
なので「spite」単品で「にもかかわらず」の意味で使う事は出来ないのですが、
逆に「despite」は単体で前置詞として成り立っているので、「despite of A」の形にするとdespiteの目的語が無くなってしまうわけですね。
前置詞が2つ続く表現として「二重前置詞」があります!
余談:前置詞が2つ続く表現「二重前置詞」
「despite of A」はdespiteの目的語が無くなってしまうので誤りなのですが、
こうした前置詞が2つ続く表現でもOKな場合があります。
それが二重前置詞です。二重前置詞は後の前置詞句が前の前置詞の目的語になる表現です。
例えば「from behind A」の表現では「behind A」という前置詞句が「from」の目的語になっています。
「後の前置詞句」が「前の前置詞」の目的語となる表現とはいえ基本的に、前置詞の後ろに来るのは名詞。
二重前置詞は「from」や「since」,「till」,「until」など一部の前置詞が取る例外的な表現です。
特に「from」を使用する表現が多めです。
下記の表現が出てきたら、二重前置詞を疑ってみましょう。
- 表現一覧 ※クリックで展開
- fromを使用する例
●「from behind A (Aの後ろから)」●「from above A (Aの上から)」
●「from among A (Aの中から)」
●「from within A (Aの中から)」
●「from under A (Aの下から)」
●「from below A (Aの下から)」
●「from across A (Aの向こうから)」
sinceを使用する例
●「since before A (Aの前から)」till/untilを使用する例
●「till/until after A (Aの後まで)」
「in spite of」「despite」の例文・使い方
「in spite of」「despite」の例文と使い方について紹介します。
Despite himself, Ken ended up enjoying opera
意に反して、ケンはオペラを楽しむようになった。Trying hard to stay awake during the class , Chris fell asleep, in spite of himself.
授業中どうにか起きていようとしたが、クリスは思わず寝てしまった。※参考・例文引用「南出康世(2014),ジーニアス英和辞典 第5版、大修館書店」
「in spite of oneself」「despite oneself」は「思わず・意に反して」の意味を持つ表現
「in spite of oneself」「despite oneself」は「思わず・意に反して」の意味を持つ表現です。
少し上でも紹介しましたが、「自分自身の意志を軽蔑・無視する」⇒「思わず・意に反して」の意味になりました。
「in spite of oneself」や「despite oneself」のように、定型句まで含めても「in spite of」と「despite」では似ている事が多いです。
例えば「in spite of the fact that~」「despite the fact that~」の形で「~の事実にもかかわらず」の表現となります。
実際このふたつを比較しても「despiteの方がやや堅い表現かな?」といったくらいで、
言い換えても意味が変わらない事が多いです。
「in spite of」は3語で1語の群前置詞。
ちなみに複数の単語で1つの前置詞として扱われる単語のかたまりの事を「群前置詞」と呼びます。
もちろん「in spite of」以外にも群前置詞はあって、多いものでは4語からなる群前置詞もあります。
例えば「in front of~」などは「~の前に」の意味でひとかたまりの前置詞として扱われますし、
「at the risk of~」は4語からなる群前置詞で「~の危険を冒して」の意味を持ちます。
群前置詞の中には「for all」と「with all」という表現があります。
この2つの意味は「in spite of」と同じく「にもかかわらず」、つまり譲歩です。
覚え方としては下記のイメージ。
「あれだけ~があっても(for)/あれだけ~をもっていても(with)」⇒「~にもかかわらず」
ちなみに「with all」の方が「for all」と比べてややフランクな印象です。
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- as for~⇒「~はどうかと言えば」
but for~⇒「~がなければ」
because of~⇒「~のために」
owing to~⇒「~のために」
up to~⇒「~まで」
according to~⇒「~によれば」
as to~⇒「~について」
except for~⇒「~以外の点では」
instead of~⇒「~の代わりに」
thanks to~⇒「~のおかげで」
with(for) all~⇒「~にもかかわらず」
3語で構成される群前置詞
- 単語一覧 ※クリックで展開
- in case of~⇒「~の場合には」
in front of~⇒「~の前に」
in spite of~⇒「~にもかかわらず」
by means of~⇒「~によって」
as far as~⇒「~まで」
(※「~の限り」の意味になるのは接続詞的に使用する時)in addition to~⇒「~に加えて」
with regard to~⇒「~について」
by way of~⇒「~を経由して」
for fear of~⇒「~を恐れて・~しないように」
in view of~⇒「~を考えて」
on account of~「~の(理由の)ために」
4語で構成される群前置詞
- 単語一覧 ※クリックで展開
- for the sake of~⇒「~のために」
at the risk of~⇒「~の危険を冒して」
for the purpose of~⇒「~の目的で」
with a view to~⇒「~する目的で」
※参考・引用「綿貫陽(2000)、ロイヤル英文法、旺文社」
「in spite of/despite」と「although/though」の違いは、副詞「節」を作るか副詞「句」を作るか
「although」「though」という接続詞も「にもかかわらず(譲歩)」の意味を持ちます。
「in spite of/despite」とは下記のように使い方の違いがありますが、同じ譲歩の表現として言い換え可能です。
例文:Sam lost his jo in spite of his good attendance record.
(サムは精勤だったのに職を失った )
●「though/although」⇒「接続詞」なので「節」を作る
例文:Sam lost his job though his attendance record was good.
(サムは精勤だったのに職を失った )
※参考・引用「綿貫陽(2000)、ロイヤル英文法、旺文社」
「though/although」が接続詞である事を理解しておけば、
下記のような問題があっても即答できます。
Sam lost his job () his attendance record was good.
①for all
②with all
③despite
④though
答え:④
「in spite of」「despite」の意味・覚え方のまとめ
「in spite of」「despite」についてのまとめです。
そこから派生して「にもかかわらず(譲歩)」を意味するようになった。
※「軽蔑」⇒「無視する」⇒「気にもしない」⇒「にもかかわらず」のイメージ
●「in spite of」のように複数語で一つの前置詞として扱われる表現を「群前置詞」と呼ぶ
●同じ譲歩を意味する「though/although」は接続詞
下記の記事でも紹介していますので、ご参考にして頂ければ!